インドカレー屋さんと省令改正と失いたくない日常

こんにちは!あやっぺです。

今回は「出入国管理及び難民認定法に基づく在留資格『経営・管理』の許可基準の改正」について、わたしの思いを書きます。

急に、政治の話?
……いいえ、これはわたしたちの暮らしの話です。

この記事は、制度の詳しい内容をお知りになりたい方向きの記事ではありません!
ただ、あやっぺなりにソースはきちんと見ているつもりです。

ボリュームとしてはだいぶ重いです!気軽に読める内容でも物量でもないです!
でも、あやっぺの暮らしの目線であやっぺの思いを、気持ちを込めて書きます。

専門家ではないので、もし間違ったことを書いてしまっていたら、やさしい言葉で教えていただけると助かります。

近所のインドカレー屋さんのこと

わたしの住んでいるところには、なかなかたくさんのインドカレー屋さんがあります。

家から一番近いお店にちょくちょく行くのですが、いつもおいしいインドカレーやネパール料理を提供してくださるだけでなく、スタッフさんもいつも笑顔で、丁寧に接客してくださいます。

常連です!といえるほど馴染みがあるわけではありませんが、
この場所がこれからも続いてほしいとあやっぺは思っています。

あやっぺにとっても、この街に住む人たちにとっても、
このお店も大切な場所のひとつだと思うからです。

今日、ランチに行ってきました!

ほうれん草カレー、豆カレー、チーズナン。

おいしおいし……

カレーを待っている間、以前から気になっていた、
とある一つの省令改正のことが頭に浮かんでくるのでした。

在留資格「経営・管理」許可基準の改正

出入国管理及び難民認定法に基づく在留資格『経営・管理』の許可基準の改正についてです。

字面だけ見ると、なんだかむずかしそうに見えます……。
でも、だいじょうぶですよ! 一緒によみましょう!
お詳しい方、間違ってたらやさしく教えてくださいね!

これは、つまるところ、外国籍の方が「日本で会社やお店を経営するためのビザ」を取得するハードルが高くなったというお話です。
この改正は、令和7年(=2025年)10月16日に施行されました。

この基準の中のひとつに、経営・管理のビザを取得するのに「3,000万円以上の資本金が必要」という条件があります。(他にも要件はあり、確認されたい方は公式情報を参照ください)
これは、改正によって従来の「500万円以上」の基準から引き上げられた要件です。

資本金なので、この3,000万円は、会社やお店を始めるにあたって「最初に」用意しておかなければならないお金です。
お店を始めてからの売り上げを含めて〜、とかではなく、最初に用意する資本金が3,000万円以上必要です。

……

はて、3,000万円以上の資本金って、一体どれほどのことなのか!

直近令和3年=2021年の経済センサス(=日本の公式大規模統計調査)の「資本金階級別統計」を見てみましょう〜

資本金階級別の企業数(令和3年経済センサス)

資本金階級 企業数 割合
3,000〜5,000万円未満 70,357社 4.2%
5,000万〜1億円未満 50,480社 3.0%
1億円以上 29,523社 1.7%
合計(3,000万円以上) 150,360社 8.9%
※総企業数:1,691,566社
※出典:経済センサス‐活動調査 令和3年経済センサス‐活動調査 企業等に関する集計 産業横断的集計 経理事項等 | e-Stat 政府統計の総合窓口

計算してみると、国内で資本金3,000万円以上の企業は8.9%、全体の約1割弱です。すくな!
※これは既存企業の資本金分布であり、新規創業の平均を示すものではありません

インドカレー屋さんのお話をすると……

例えばですけど、インドやネパールの方が、ビザを取得して日本でカレー屋さんを開業しよう!と考えるとします。
3,000万円を用意せねばならない!

……ビザ取るの、めちゃくちゃ難しくない? というお話です。
日本に移り住んでの開業のハードル、高すぎる!
3,000万円も持ってないとダメ!? もっと現実的なラインあるんじゃない!?

(3年間の経過措置はあるものの)最終的にはビザの更新時にも改正後の基準を満たす必要があるとも、公式に明記されています。更新にも適用されるんですね。

施行日から3年を経過した後になされた在留期間更新許可申請については、改正後の基準に適合する必要があります。
 (注)改正後の基準に適合しない場合であっても、経営状況が良好であり、法人税等の納付義務を適切に履行しており、次回更新申請時までに新基準を満たす見込みがあるときは、その他の在留状況を総合的に考慮し、許否判断を行います。

(引用:https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html

※インドカレー屋さんのお話を例に出していますが、これはあくまで一例です。

この省令改正の目的にたどり着けない

政府の公表資料に、この制度改正の目的がはっきりと掲載されているものがないか探しましたが、公式サイトや資料に改正の「目的」がはっきり書かれているものは見つけられませんでした。
(「今回の改正はこういう目的である〜」的なことを少し解説した非公式のサイトはままあったんですが、提示するソースとしてはどうかなと思いまして……)

もし目的や背景の記載がある政府公表のページをご存知でしたら、ぜひ教えてくださいmm

国会会議録を見て背景や目的を推測

とはいえ、なんでこんな省令改正をするに至ったんだ?

目的や手がかりを探して、国会会議録検索システムをあたりました。
めちゃくちゃ一次資料です。

が、官報が画像PDFになっていまして……(デジタル庁仕事してね!)、探すのだけでなく、読むのもつらかった!
OCR(画像として扱われているデータをテキストに変換する技術)の力を借りて読みました。

第217回国会 衆議院 本会議 追録を読んでいくと……
以下の引用は画像PDFOCRにかけたものなので、ソースと一言一句同一ではないかもしれません。
相当の内容がソースに存在していることはあやっぺにて確認しました。

二 移住を主目的として「経営・管理」の在留資格を取得した外国人の中には、我が国において事業の経営・管理を行っていくのに十分な資金や資質を持たない者が多数含まれることが想定される。

十分なお金を持っていない人が在留資格を取得して移住してきたら国が困る!とか、

四 令和七年三月二十六日付けの産経新聞では、在留資格を取得する目的でペーパーカンパニーが設立された事例や、在留資格を取得した外国人が設立本来取り組むべき事業に取り組んでいない事例など、「経営・管理」の在留資格が移住目的で悪用されている実態が報じられている。

在留資格の取得目的で制度が悪用されてる実態が報じられている!とか

……そんなことが書いてありました。
詳しく知りたい人は第217回国会 衆議院 本会議 追録を読んでね!

これはあやっぺの推測ですが、おおむね以下のようなことを対策したい、
というのがこの省令改正のねらいだったのではないでしょうか。
(目的のはっきりした記載が見つけられなかったので、これは会議録を読んだあやっぺによる推測ですよ!注意!)

  • 移住目的で「経営・管理」を使うケースの発生
  • 実体のないペーパーカンパニーの発生
  • 事業を本気でやる資金や能力が乏しい人の移住
あやっぺのぼやき
しかし……省令の改正内容はすぐに見つかるけれど、それがどうして改正されたのかの背景や目的に、国民がすぐに触れられない状況なのですね……。
こんなに時間をかけて一次情報に当たっても、議論の片鱗が見えるだけで、明確な目的が書かれているわけではない。(それも、探すのめっちゃたいへんです。)

これもやっぱり、なんだかおかしなことだぞ!とあやっぺは思いますね!


と、いうところで……
不正を取り締まることは必要ですよね。それはそう!

けれど、インドカレー屋さんは真面目にお仕事されているし、
料理を提供する・日本語で接客を行う能力もお持ちです!!!!

省令の改正で、日本に住んで真面目に会社やお店を営んでいる外国籍の方まで苦しむことになるのは違うんじゃないか

あやっぺが起こしたアクション

カレー屋さんをはじめ、日本でまじめに働いて暮らす外国籍の方の暮らしが続いてほしい!と思うので、いくつかのアクションをしました。

オンライン署名に参加した

客が来ても、黒字でも、閉店。カレー屋を潰す「資本金3,000万円」ルールを止めてください #推しエスニックといつまでも|change.org

オンライン署名プラットフォームであるchange.orgは実名制をとっていないので、ハンドルネームとかニックネームとかでも署名できるのですよ!

地元で選出された国会議員に意見を送った

この省令改正について、地元の国会議員さんに意見を送りました。
先日の衆議院選で当選された方です。

実は、議員さんに直接意見を送るのは初めてでした!!
首相官邸の「ご意見募集」フォームはよく利用していますが……!)

議員さん宛には実名で送るし、ちょっと緊張した。
でも、送ってみればなんのことはなかったです。

議員さんの名前で検索して公式サイトに辿り着き、「ご意見フォーム」から意見を送りました。
だいたいこんな内容です。

・地域のインドカレー店を日常的に利用しており、生活の中で大切な場所になっている
・在留資格「経営・管理」の要件強化で、まじめな小規模店が続けにくくなる不安を感じている
・不正対策の必要性は理解している
・ただし資本金要件が小規模事業の現実とかけ離れていると感じる
・日本人も外国籍の人も地域で支え合って暮らす街であってほしいと考えている
・制度によって日常の風景が失われるのは悲しい
・誠実な小規模事業が理不尽に排除されない制度設計や柔軟運用を求めている

これは政治の話というより、暮らしの話だった

政治と暮らしはひとつなぎ。わかっているつもりでした。
けれど今回、政治がどう動くかで、わたしたちの国・まち・生活が変わってしまうかもしれないんだってことを、インドカレー屋さんが改めて教えてくれた気がします。

……この改正の問題については、以前から気になってはいました。
でも、今日、あのインドカレー屋さんに行って、おいしいカレーを食べなかったら。
スタッフさんの丁寧な接客を受けなかったら。
この件について調べるのは、後回しになっていたかもしれません。

基準が厳しくなって、これからビザの更新の許可が降りないかもしれない。
お店を畳んで日本から出て行かないといけなくなっちゃう人たちが出てくるかもしれないんだ!

そんなん、いやや〜〜〜〜!!
この国で一生懸命生きている人は、日本で生まれた人だけじゃないはずです。

日本が好きで、日本でお店を開いて暮らしたい!
お金はいるにしても、3,000万円も用意しないといけないの?

不正を防ぎながら挑戦する人を歓迎できるように、
統計も確認しながら、もっと現実的な基準を作ってほしい……!
(既存企業の統計を見る限り)資本金3,000万円を用意して全企業の1割以下に食い込んでないと日本でお店をもてないの、おかしいでしょ〜〜〜!!

売り上げの状況とか、もっと実態から判断できる基準にしてほしいよう。

継続的な経営状況を見たり、納税の実績を確認したり、従業員雇用の履歴を見たりして、実態をきちんと判断するというプロセスにしてほしい……!

さいごに

日本に住んでいいのは、日本に生まれた人だけじゃない!ってわたしは思います。
みんなでルールを守ってやっていけるように考えよーよ!って思います。

外国の方の移住についてはいろんな考えが(不安なども含めて)あると思うのですが(差別やヘイトはもちろんNGです!)、少なくとも、あやっぺは生まれやルールに関係なく、互いを慮って「ここが『ともに暮らせる場所』であってほしい!」と思うのです。

わたしの意見は、わたしの意見。
他の人の意見は、他の人の意見。

敵対するものでも、対立するものでもありません。
視点が違うだけだと思います。(ヘイトや差別は別です、ダメです!)

誰かを攻撃したり、誰かと対立したいのではないということは大きな声で主張させてください。
方向性が違っても、みんなで暮らすこの場所がよくなってほしいっていうのは、多くの人の願いだと思うからです!

参考リンク

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