親知らず抜歯打ち合わせにおける意思決定プロセスの発生

大袈裟なタイトルにしましたが、ほとんど日記です。

総合病院に行ってきました。

親知らずの抜歯に向けた診察を受けに、
かかりつけの歯医者さんに書いてもらった紹介状を持って。

本記事では先生との会話内容や費用感にかなりフェイクを入れて記載しています。
先生がおっしゃったセリフそのままではなく、あやっぺ式にまとめているので、誤りがある可能性があることをご了承ください。

親知らずを抜く覚悟を決めた

あやっぺは親知らずとの共存、もとい抜歯しぶりを強固な姿勢で貫いてきました。

しかし、今年に入って転機が訪れたんですね。

なんと、親知らずとその手前の歯の間に虫歯ができてしまいました。
毎日丁寧に歯磨きをしてフロスもしていますが、仕方のないことです。
横向いて生えてるものだから、きっとフロスで取りきれない汚れが溜まるんですね……。

虫歯は削ってもらって、今は仮の詰め物を入れてもらっている状態です。

「親知らずを抜き終わって、腫れが引いたら型取りをして詰めましょうね」と、歯医者さんも抜歯するしかないよねの雰囲気です。それはそう。

歯医者さんはわたしのビビり具合を理解してくださっていて、
静脈内鎮静(鎮静剤でうとうとしている状態)で抜いてもらうといいよ、
と大きい病院で紹介状を書いてくださいました。
でもお高いんでしょう……?
聞くと、日帰りで8000円程度で終わるはずだよ〜、と。

虫歯にもなったし、恐怖低減の術もある。
もうこうなると、親知らずに別れを告げるしかない。ほなやるか。

あやっぺ30歳、一世一代の親知らず抜歯プロジェクト(ただし抜いてくれるのは歯医者さん)、
はじまりはじまり。

大きい病院へ

そして紹介状を片手に、総合病院へ行ってきました。

口腔外科外来のやさしくて丁寧な先生から、抜歯の説明を受けます。

「見えている歯は、そのまま抜きます。」
「はい……」

「歯茎に半分埋まっている歯は、麻酔をかけて、歯茎を切って、歯茎をめくって抜きます」
「歯茎をめくって……?」

「横向きに生えている歯は、歯茎を切って、親知らずを分割して抜きます」
「は、歯を分割…??????」

恐ろしくて、半泣きになるあやっぺ。

静脈内鎮静で抜歯するには1泊2日の入院が必要ということでした。
左右あるから、1泊2日×2回。

入院なら1回あたり8000円では済まないな〜。あとで費用概算を確認しよう〜。
入院初めてで心配だな〜。有給もたくさん使ってしまうよな〜。
などと思いつつ、抜歯する方向性は決まり、入院の日付や事前検査の日程の打ち合わせをしました。

先生のお話を最後まで聞きましたが、費用の話は出なかったので、
「費用の概算を知りたい」とあやっぺは申し出ました。

もっと最初に聞きなよ!とお思いの方もおられるかもしれないので意図を補足しますが、
こういうのは先生ではなく、医療事務の方の担当かなと思い、質問は最後に回した次第です。

わかりました、後ほど受付でお伝えしますね、とお答えいただき、診察はここで終了。

機械でCTを撮影してから、受付へ向かいます。

エ!

会計と次回来院予定日を改めて案内され、費用概算のお話がでます。

「概算ですが、1回5万円程度です。左右2回分で10数万円です」

エ!

10数万円!?!?!?!?!

これは、病院や費用への不満ではありません。
医療技術の価値を低く見積もっているということでもありません。

当初想定していた「日帰りで8000円」費用感と、
実際の入院費用との間に大きな乖離が発生しただけです。

あやっぺはこれまで幸い大きな病気や怪我をしたことがなく、
入院やその費用について本当に無知だったのです。入院をしたことがない。
知らなかったので、確認し、その結果「エ!」なわけです。

3割負担で5万程度!!!2回あるから10万数万!!!!え、高額療養費制度(←対象外です)!?!?!
一瞬の大混乱でした。

落ち着いて内訳を聞くと、
抜歯自体は確かにかかりつけの先生からお聞きしていた程度だったのですが、
入院費が大半を占めている。

あやっぺの脳内に、もわもわと条件比較表が現れます。

静脈内鎮静ありなし
入院1泊2日日帰り
費用1回あたり5万円程度
左右で10数万円
1回あたり1万円程度
左右で2万円程度
メリット鎮静による恐怖の低減
術後の経過を見てもらえる
即日家に帰れる
有休消化最小
家計が防衛される
デメリット10数万円が吹き飛ぶ
いうて鎮静剤使用もそれなりに怖い
初めての入院へのさまざまな不安

入院の準備コスト
有給消化最大
ほんまに怖い
術後の経過は基本的に自分で観察

静脈内鎮静についてお話を聞いてみて、金額だけでなく、初めての入院への不安とか、家に帰れないのはつらいなとか、入院って暇な時間は何するの?とか、有給数日見込まないとあかんな……とか、いろんなコストを感じていたんですが、ここで初めて、費用という重要カードが揃った真の比較検討が走りました。

10数万円出して恐怖を低減するか、2万円であやっぺががんばるか ですからね。

というか、日帰りで静脈内鎮静はできないのだろうか!!!!!!!
もう一度相談したい!!!!!

もう一度先生に相談した

「申し訳ないのですが、再度先生と5〜10分ご相談させていただきたいので、お時間をいただけませんか」
これを受付でいえたあやっぺは超えらい。
調整してくださった受付の方、対応くださった先生、本当にありがとうございます。

先生にお時間をいただき、率直に

  • 費用概算を聞いて、事前に想定していた費用との乖離で揺れている
  • 日帰りで静脈内鎮静を用いた抜歯はできないものか

などを相談したところ、先生は嫌な顔ひとつせず丁寧に対応くださいました。

そして、今回のケースでは入院が必要であるとのこと。
詳細は割愛しますが、理由もご説明いただき、納得しました。

わたしの結論

もうここで腹を括るしかない。

「先生、すみません。
静脈内鎮静はなしで、日帰りで外来で抜いてください!

先生は「大丈夫だと思いますよ、きっと!」と受け入れてくださいました。

若干不安にはなるものの、「きっと」っていうのがリアルですよね。
説明を受けましたが、もちろん抜歯にはリスクが伴うものですから、

100%の保証は、しない。
信頼のできる誠実な先生だと感じました。

疑問

ちょっと疑問に思ったこともあります。
先に書くと、批判の意図はなく、国の定めた医療制度への疑問です。
病院批判じゃないです。病院には感謝しています。

一般的なお買い物……例えば家電を買うときって、最初から「予算はこのくらい、この機能がほしい、こう使う」と、すべての判断材料カードがテーブルの上に並んだ状態で、自発的に比較検討をすると思います。

が、今回、最後に費用感を聞くまでは「10数万円」という最大カードは見えていなかった。

もちろん、先生は「安全に治療を進める」スペシャリストであり、処置の点数に基づいて医療費を計算するのは医療事務の方のお仕事なので、役割が違うのは百も承知です。
それでも、今回の流れでは、費用感は自分から質問して初めて判断材料を入手できました。

いち消費者としては、こうした国の医療費計算の制度の仕組みに少し歪さを感じてしまいます。
病院がどうとかお医者さんがどうとかのお話じゃないと思いますので……。

今回はなんとか事前に確認できましたが、もしあのまま確認せずに帰っていたら、数ヶ月後の抜歯後に受付で領収書を見てあやっぺがひっくり返ることになっていたかもしれません。

もっと大きな予定手術や入院で、もっと大きな金額規模で起こったら……あやっぺどころか家計ごとひっくり返るリスクすらあります。

そういうことって、いろんなところで起きているんじゃないだろうかって思いました。

なお、ゆっくり検討する時間のない急病については、この疑問のスコープ外です。
これは、事前に検討できる処置についてのお話です。

さいごに

少し先の日程で、静脈内鎮静はなしでまず右の親知らずを上下抜いてもらうことが決定しました。

病院に行く前は「親知らずの抜歯が怖い」だったのですが、
突然の10数万円出費の登場により、「10数万円飛んでいくのが怖い」になりました。

怖いものがあっても、それより怖いものが現れると、
相対的に最初に怖かったものへの恐怖レベルが下がるんだな。
上書きされた感じで、かえってよかったのかもしれません。

──これで10数万円、いえ、差額の約8万円は守られる……!

当初想定していた前提条件が目まぐるしく変わり、
「情報収集(インプット)」「評価・検討(判断)」「決断(アウトプット)」という
意思決定プロセスのお手本のようなケースが発生した1日でした。

とはいえ、どれだけ比較検討しても、抜歯が怖いこと自体は変わりません。

抜歯の日までに親知らずが自然消滅してくれると一番幸せなんですけど……

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